膝関節は、歩く・立つ・座る・階段を上り下りするといった、日常生活に欠かせない動作を支える関節です。
膝は単純に曲げ伸ばしするだけの関節ではありません。
曲げ伸ばしに伴って、骨同士の転がりや滑り、回旋が組み合わさることで、滑らかな動きを生み出しています。
今回は、膝関節の構造と、それぞれの関節面が持つ特徴について解説します。
1. 膝関節を構成する2つの関節
膝関節は、主に次の2つの関節から構成されています。
① 脛骨大腿関節(けいこつだいたいかんせつ)
大腿骨と脛骨で構成される関節です。
体重を支えながら、膝の曲げ伸ばしを行う重要な役割を担っています。
この関節では、屈曲・伸展に伴って骨同士の転がりや滑りが生じ、動作の中で回旋も組み合わさります。
② 膝蓋大腿関節(しつがいだいたいかんせつ)
太ももの骨である大腿骨と、膝のお皿である膝蓋骨で構成される関節です。
膝蓋骨は、膝を伸ばす筋肉である大腿四頭筋の力を効率よく伝えるために重要な役割を果たします。
膝の曲げ伸ばしに伴い、膝蓋骨は大腿骨の溝に沿って移動します。
この動きが滑らかに行われることも、膝関節の機能にとって重要です。
また、膝関節の安定性は、骨の形状だけでなく、半月板・靱帯・関節包・筋肉などによって支えられています。
2. 脛骨大腿関節は内側と外側で形が違う
膝関節を理解するうえで重要なのが、脛骨と大腿骨が接する関節面の形状です。
実は、膝の内側と外側では、関節面の形に違いがあります。
① 脛骨近位関節面の特徴
脛骨の上端にある関節面は、内側と外側で形状が異なります。
内側の関節面
– 比較的凹状になっている
– 大腿骨内側顆を受け止める形状をしている
– 外側と比較して、関節面の形状による安定性が得られやすい
外側の関節面
– 内側と比較して平坦に近い
– 大腿骨外側顆の動きに対応しやすい
– 内側よりも前後方向への移動が生じやすい
このように、内側は比較的安定性を担いやすく、外側は動きに対応しやすい構造になっています。
ただし、実際の関節の安定性や可動性は、関節面の形状だけでなく、靱帯や半月板、筋肉などの働きにも影響されます。
② 大腿骨顆の特徴
大腿骨の下端には、内側顆と外側顆と呼ばれる2つの丸みを帯びた部分があります。
この2つも、まったく同じ形をしているわけではありません。
一般的に、内側顆は外側顆よりも前後方向に長く、関節面の形状にも違いがあります。
そのため、膝を曲げ伸ばしするときには、内側と外側で骨の動き方に違いが生じます。
膝は、内側と外側がまったく同じように動くことで機能しているわけではありません。
それぞれの特徴を活かしながら、関節全体として滑らかな動きを生み出しているのです。
3. 膝の曲げ伸ばしには「転がり・滑り・回旋」が必要
膝関節は、蝶番のように単純な曲げ伸ばしだけを行う関節ではありません。
屈曲・伸展に伴って、主に次の3つの動きが組み合わさります。
① 転がり
大腿骨の関節面が、脛骨の関節面の上を転がるように動きます。
② 滑り
関節面同士の位置関係を調整するように、骨が滑る動きが生じます。
転がりと滑りが組み合わさることで、関節面の接触を保ちながら、膝を大きく曲げ伸ばしできます。
③ 回旋
膝関節では、屈曲・伸展に伴って脛骨と大腿骨の間に回旋運動も生じます。
特に膝を伸ばし切る付近では、いわゆるスクリューホームムーブメントと呼ばれる回旋運動が起こり、膝の安定性に関与します。
このように、膝の動きは複数の運動が組み合わさって成立しています。
## 4. 膝の動きは、膝だけで決まるわけではない
膝関節は、股関節や足関節とも密接に関係しています。
例えば、歩行やスクワットでは、股関節・膝関節・足関節が連動して身体を支えます。
そのため、膝の動きを考える際には、膝そのものだけでなく、股関節や足部の動き、荷重のかかり方なども確認することが大切です。
また、膝の痛みには、関節内の組織だけでなく、筋肉や腱、滑液包など、さまざまな要因が関係する可能性があります。
痛みがあるからといって、必ずしも骨の位置や動きだけが原因とは限りません。
関節の構造を理解したうえで、どの動作で痛みが出るのか、どのような動きに制限があるのかを評価することが重要です。
## まとめ|膝関節は構造と動きの両方から考える
膝関節は、脛骨大腿関節と膝蓋大腿関節を中心に構成され、骨の形状や靱帯、半月板、筋肉などが協調することで機能しています。
特に重要なのは、次の3つです。
– 膝の内側と外側では、関節面の形状や動き方が異なる
– 曲げ伸ばしには、転がり・滑り・回旋が組み合わさる
– 膝の機能を考える際には、股関節や足関節との連動も重要になる
身体を整えるうえで大切なのは、単に筋肉を鍛えたり、硬い部分をほぐしたりすることだけではありません。
関節がどのような構造を持ち、どのように動くのか。
その仕組みを理解することが、身体の動きを評価するための土台になります。
当サロンでは、身体の構造や動きに目を向けながら、一人ひとりの状態に合わせた整体と運動を大切にしています。
今ある身体の状態を知り、無理なく動ける身体づくりを始めていきましょう。
